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2026春闘スタート 全ての職場で要求書提出を

「賃金格差に終止符」 第104回中央委員会

全自交労連は1月21日、東京の連合会館で第104回中央委員会を開き、2026春闘方針と、「価値ある仕事に正しい対価 賃金格差に終止符を」「なくしていいのか我らの仕事 ハイタクは住民を守る最後の砦」のスローガンを確立。運賃改定等の早急な実施と、適正な分配の獲得によって、他産業との賃金格差を終わらせる闘いがスタートしました。

春闘交渉の柱となる月額賃金の改善要求額(生活維持分+他産業との賃金格差改善分)は、タクシーが「賃金体系にかかわらず、8%・2万8000円以上(運賃改定等による増収分の反映を含む)」、ハイヤーは「歩合給中心の場合、8%・2万8000円以上(運賃改定等の増収分を含む)。固定給中心の場合、1人当たり6%・2万1000円以上」、自動車教習所が「月額18,000円(一時金年間100万円以上)」に決定しました。

溝上泰央中央執行委員長は、ライドシェア阻止や、選挙への協力を訴え、「野尻副委員長の分まで、共にがんばろう」とあいさつ

冒頭には、1月12日に逝去した野尻雅人副中央執行委員長に全員で黙とうを捧げました。スローガンの中の「ハイタクは住民の生活を守る最後の砦」という一文は、生前に野尻副委員長が提起したものです。我々はその思いを継ぎ、「最後の砦」であるハイタク産業を未来に残すため、適正な賃金水準を勝ち取っていかなければなりません。

春闘方針の確立後には、国土交通省物流・自動車局旅客課の重田裕彦旅客課長の講演を聞き、参加者は情勢への理解を深めました。

中央委員56人(出席38人+委任18人)、役員35人、傍聴80人が参加。不当解雇闘争を闘う安尾崇伯中央委員(兵庫地連神戸相互タクシー労組副委員長)が議長に選任され、全議案が承認されました。

第51回衆院選 中道は大敗

タク議連97名落選

全国の組合員の皆さま、第51回衆議院議員選挙へのお取り組み、大変ありがとうございました。突如の解散と新党「中道」の結成という激流の中、また高市首相の人気が非常に高い逆風の中で、最後まで選挙戦を闘っていただき、深く感謝申し上げます。

結果は歴史的な大敗となりました。全自交が支援した中道改革連合は公示前の167議席を49議席(旧立憲21・旧公明28)に減らし、自民党は単独で3分の2以上、維新を合わせ354議席を獲得しました。

タクシー政策議員連盟に所属していた前議員は、旧立憲民主党109名中92名落選、国民民主党11名中2人落選、無所属3名中3名落選となり、計97名が落選、当選は26名のみ。主な議連幹部だけでも枝野幸男顧問、海江田万里顧問、近藤昭一顧問、逢坂誠二副会長、伴野豊副会長、小宮山泰子幹事長、森山浩行幹事長代行、末松義規副幹事長、城井崇幹事、道下大樹事務局次長らが落選しました。

全自交が中道を支持した経緯と理由

高市早苗首相の解散判断を受け、全自交労連が支援してきた立憲民主党は1月16日、公明党と新党「中道改革連合」を結成。

急転直下の動きの中で、全自交労連は1月20日の第2回中央執行委員会で、「中道」候補の支援を基軸とする選挙方針を確立しました。その理由は国民を裏切り続けてきた自民・維新政権に終止符を打ち労働者・生活者目線で考えるまっとうな政治に変えること、そしてライドシェア新法を阻止することです。

結果は大敗となり、極めて厳しい情勢ですが、今後もハイタク自教労働者の地位と生活の向上のために取り組みを続けていきます。

野尻副委員長が逝去

第83回大会で撮影
(2025年10月21日)

野尻 雅人(のじり・まさひと)全自交労連副中央執行委員長が、1月12日、千葉県内の病院にて逝去されました(享年62歳)。故人の遺志により葬儀は近親者のみで執り行われました。後日「お別れの会」を開催させていただく予定です。

野尻副委員長は1981年に群馬県立高崎高等学校を卒業。2000年に東京の大和自動車交通に入社してタクシー乗務員となり、同時に大和自動車交通労働組合に加入し労働運動の道を歩まれ、2015年には、上部団体であるKPU東京地連の書記長に就任。2021年の全自交・KPU統合大会にて全自交労連・書記次長となり、23年の第81回大会で書記長、昨年の第83回大会で副委員長に就任され、全自交運動を支えてこられました。

かねてより、がんを患い闘病中のところ、昨年12月には病身を押して秋田の自主経営の出発式に駆けつけるなど、亡くなる直前まで、全国の仲間のために職務に精励されました。我々は故人の思いを引き継ぎハイタク労働運動の前進を誓うとともに、ここに謹んで御冥福をお祈りします。

青ナンバー

本稿を書いているのは投開票日の2月8日、夜20時半。

あまりの選挙結果に言葉を失いながら、それでも「ハイタク労働者のため、全ての労働者のために働いてくれる議員が一人でも多く生き残ってほしい」と願いながら書いている。

今書き残しておきたいのはただ2つのことだけだ。

一つは感謝である。

〝高市人気〟の逆風の中、そして新党の結成という急展開と戸惑いの中でも、組合員の皆様には懸命に選挙戦に携わっていただき、「本当にありがとうございます」とお伝えしたい。

二つ目は〝冬の時代〟に耐え抜く覚悟だ。

自民党がこれだけの圧倒的な議席を得た以上、労働組合の声、労働者の声は国政にほとんど反映されない時代がやってくる。

〝白紙委任状〟を得た高市政権が、戦争への道、改憲への道を進むことも覚悟しなければならない。

しかし、しばらくすれば、この圧勝劇を支えた熱気は落ち着き、国民が冷静に高市政権の功罪を評価する時が来るだろう。

その時に「より良い、もう一つの選択肢」を、我々が、我々の支持する政党が、国民に示せるか否か。それが問われる。

冬の時代を諦めずに生き抜こう K・T

溝上委員長あいさつ

「労働者の声を国政へ」

野尻副委員長の遺影を手に、
黙とうを捧げる溝上委員長

溝上泰央・中央執行委員長は、1月21日に開かれた第104回中央委員会でライドシェア問題や、公共交通の抱える課題、そして政治への取り組みについて全自交を代表してあいさつしました。

溝上委員長は、政治情勢がハイタク自教労働者の生活に与える影響について「我々は2007年の規制緩和以降、政治の力の重要性を誰よりも痛いほどわかっている」と強調。前回の参議院議員選挙で落選した森屋隆前議員の功績を振り返り、「森屋議員が誠心誠意働いていただいたからこそ、ライドシェア導入阻止や全国的な運賃改定が実現できたことを忘れてはならない。さらには一昨年の第50回衆議院選挙で与党を過半数割れに持ち込んだことが、我々の政策の実現の第一歩だったことも忘れてはならない」と指摘しました。

2月8日投開票の衆議院選挙に向け、全自交労連が新党『中道改革連合』の支援を決めたことについて、「皆さん色々と言いたいことがあるのはわかっている。しかし少なくとも我々ハイタク産業の労働者の声をしっかり聞いてくれるのは、この政党しかありません」と断言し、選挙への取り組みを訴えました。

不当解雇と闘っている全自交兵庫地連・神戸相互タクシー労働組合の安尾崇伯副委員長が議長に選任され、「全国の皆様からのご支援に、心から感謝しています」とあいさつしました。

また、昨年を振り返り、「戦後80年、阪神淡路大震災から30年の節目で、改めて命と平和の大切さを見つめ直す年となった」、「ハイタク産業では日本維新の会による『ライドシェア新法案』の国会提出や、24時間・大阪府内全域での『万博ライドシェア』の稼働など、理不尽なライドシェア解禁勢力の攻勢にさらされる1年間だったが、全自交労連は連合や交運労協の仲間の力をお借りしながら、『ライドシェア完全解禁阻止』の運動に全力で取り組んできた」と訴え「引き続き、移動困難者をはじめとした全てのお客さまに安全・安心・丁寧な輸送を提供し、世界一の日本のタクシーの品質を維持しながら供給の安定に努め、我々の生活とお客さまの安全な移動、そして地域公共交通の持続性を守り抜かねばなりません」と呼びかけました。

また、「観光地や大都市での、白タクや都市型ハイヤーによる客引き・名義貸し等の行為の根絶」を求めるとともに「人口減少下で過疎地における移動の課題は深刻さを増しており、国土交通省は交通空白解消本部を司令塔として対策を進めている。我々の業界も交通空白解消のために自治体との協力・協働を推し進めることが必要だ」との思いを述べています。

最後に「これからも全自交労連はハイヤー・タクシー・自動車教習所産業の主力産別労働組合として、新しい時代に立ち向かい、公共交通を担う労働者に相応しい賃金・労働条件を実現できるよう、全国のハイタク自教労働者の先頭に立って運動を展開していく」と誓い、「野尻副委員長の分まで共に闘いましょう」と春闘勝利への決意を示しました。

本田書記長 春闘方針提案

産業の未来のために格差是正

春闘方針を提案し、「選ばれる職業となるには賃金格差をなくすしかない」と訴えた本田書記長

本田有書記長が2026春闘方針(12月号で素案掲載)を提案しました。

本田書記長は「他産業の賃上げが加速する中で、労働力獲得競争に負けない労働条件を築かなければ、タクシー・ハイヤー・自動車教習所産業に未来はない」と強調し、タクシーとハイヤー歩合制の賃上げ要求額8%・2万8千円について「連合や交運労協の要求を上回っていかなければ、賃金格差は是正できない」と根拠を述べました。

また全自交独自の労働実態調査において12地連本で年収が前年を上回り、うち6地連本で前年要求額の8%を上回ったことを示し、「これは2025春闘において、それぞれの地域で仲間が奮闘し、しっかりと運賃改定などの増収分を賃金に反映させた結果だ」と評価。2026春闘においても、適切な反映を実現する交渉を呼びかけました。

乗務員負担は二重取りだ!

アプリ配車手数料などの、乗務員負担について「定期大会で関西の仲間から指摘があった通り、各種手数料や設備投資費は、事業者が運賃改定時の原価に算定することが認められている。国交省に確認済みだ。つまり乗務員負担を取っている会社は、運賃という形で広く利用者からいただきながら、働く仲間から搾取する〝二重取り〟になっている事実を、交渉の場で訴えてほしい」と述べました。

また労働条件の改善に向けた要求とともに、不当労働行為や不当解雇を行う悪質事業者を許さない姿勢を強調し、闘争中の仲間への継続支援を呼びかけました。

ハイヤーの要求について「爆発的に増えた都市型ハイヤー」による違法操業の疑惑や、運賃改定の困難化を政策面の要求課題として指摘し、賃金要求の実現に向けた奮闘と春闘を契機とした組織拡大を呼びかけました。

自動車教習所の要求に関しては「教習料金の引き上げが十分ではない」「地域の交通安全センターとしての役割を果たすためにも適正な賃金を求める」と述べました。

質疑

春闘方針案に対し、会場内から3名の意見・質問があり、本田書記長が答弁しました。(兵庫地連・成田氏の質疑は4面掲載)

賃下げ案を押し戻す

大阪・加藤氏

加藤直人中央委員(大阪地連)は、許可期限が2年間に限定されている日本版ライドシェアの早期終了を求めて発言。また運賃改定後の賃下げとの闘いに関し「ロイヤルリムジンが買収した大阪の朝日交通でも、就業規則改定による賃金の引き下げを主張してきたが、労働組合が労働基準監督署を通じて抗議し、改定手続きの不備を認識させ『賃下げを是正するように』という指導を勝ち取った」と事例を報告しました。

交渉の具体的戦術を

岩手・森氏

森茂中央委員(岩手地本)は「春闘交渉では、2万8千円の要求だけでなく、10月の最低賃金引き上げへの対応、運賃・料金改定の対応、と同時に3つの交渉が必要で、複雑化している。具体的対応を方針に明記して」と要請。

本田書記長は、中期的な視点で、価格転嫁や公的支援を含めて賃上げが可能な体制の構築を呼びかけ、交渉に必要な資料等を本部で用意し支援すると回答しました。

開会 掛川副委員長

野尻氏の功績に感謝

掛川副委員長

掛川正一副中央執行委員長(東京地連)が開会のあいさつを述べ、逝去した野尻雅人副委員長に対し「新生・全自交の統合に向け努力している姿を見てきた。志半ばで逝去されたことは残念で、改めて彼の功績に感謝したい」と追悼の言葉を贈りました。

2026春闘に向けて、新党『中道』の綱領から「生命・生活・生存を最大限に尊重する人間主義」の言葉を引用し「今春闘は、住民の暮らしの最後の砦となる、我々エッセンシャルワーカーの生活と矜持、産業の未来を賭けた闘いだ」と強調。方針の確立に向けた議論を求めました。

閉会 水野副委員長

若い人が入る産業に

水野副委員長

閉会あいさつに立った、水野潔副中央執行委員長(神奈川地連)は、まず国土交通省の重田裕彦旅客課長の講演について「非常にわかりやすく、ハイタク産業の将来が少し見えた」と感謝。

ただし「まだまだ全産業平均との賃金格差は大きく、この春闘でぜひ、皆さんのご尽力で成果を勝ち取り、少しでも若い人が入ってくる産業になるようがんばってほしい」と述べ、同時に選挙への取り組みを呼びかけました。

資格審査委員長を務めた櫻井邦広・副中央執行委員長(京都地連)
議事運営委員長を務めた須藤正己副中央執行委員長(東京地連)
書記を務めた大原友則中央委員(愛知地連)

地域間格差の課題を強調

国交省 重田旅客課長

重田裕彦 旅客課長

中央委員会では、国土交通省物流・自動車局旅客課の重田裕彦課長と大山聡係長が「タクシーを巡る諸情勢」について講演しました。重田課長は「全国のタクシーの平均日車営収は3万8003円だが、全国630営業区域のうち平均を上回るのは、25区域しかない。一部の大都市が平均を押し上げており、2万円ほどしか営収がない地域も少なくない」「大学新卒乗務員も年間約1400人いるが、うち約1200人は東京だ」と説明し、地域間格差の課題を国交省として重視していることを示しました。

「営収を上げ、ドライバーの処遇を改善するための原資は運賃しかない」と強調し、運賃改定の迅速化に取り組んできた経緯を報告。「令和7年度補正予算では、乗務員確保の予算55・6億円を物流・自動車局の単独予算で確保した。二種免許取得や女性ドライバー向け設備への投資を強力に支援する」と述べました。

また、国土交通省として交通空白の解消に向け、集中的に取り組んでいることを強調し、都市型ハイヤーへの取り締まりを強化していることも説明しました。

タクシーによる子どもの送迎サービスを紹介する中で「海外で自分の子どもを他人が運転する車に預けるなど考えられない。安心して預けられること自体、日本のタクシーが積み重ねた歴史の成果だ」とエールを贈りました。

国交省への質問 地方は、本当に追い詰められている

岩手・今野氏

今野徹中央委員(岩手地本)は、職場のある釜石市のタクシー産業の窮状を訴えました。「地方は本当に追い詰められている。震災後は人口減少が進み2万5千人を切った。震災とコロナのダブルパンチ。県や市の支援も頂いているが、7、8年前から社長が身銭を切って会社を維持している。この厳しさを理解し、支援をお願いしたい」と要望。

重田課長は地方の厳しさに強く同意し、ドライバー確保の補助や、配車の協業化、遠隔点呼などの活用を促しました。そして「交通空白の解消に数百億円の予算を確保しているが、『これまでと全く同じ事業を続けて赤字補填』は国の税金の使い道として難しい。例えば『自治体と共に、バス路線撤退後の足を確保する』といった場合には車両購入の補助などがある」と案内しました。

国交省への質問 日本版RSと遠隔点呼について

大阪・加藤氏

加藤直人中央委員(大阪地連)は、日本版ライドシェアの更新の判断について「しっかりとした基準を」と求め、また遠隔点呼の導入企業において運行管理者が不在で入庫できない事例があることを報告し対応を求めました。

重田課長は日本版RSの必要性の基準に関しては「データだけでは見えない部分に関しても、検討しているところ」と述べ、遠隔点呼に関しては「本来の営業所の運行管理者が対応できることが前提の制度」と回答しました。

連合 春闘開始を宣言

全ての仲間の賃金を!

決意表明をした安河内副会長

2月5日、連合は都内で「2026春闘 闘争開始宣言2・5中央集会」を開催。芳野友子会長が、「2026闘争は、〝賃上げがあたりまえの社会〟を実現する正念場である」と激を飛ばしました。

決意表明に立った安河内賢弘副会長(JAM会長)は、「26春闘の最大のテーマは広がりだ。連合に集う全ての仲間の賃金を実質賃金でプラスにもっていかなければ」、「我々の生活を支えているエッセンシャルワーカーの皆さまや物流を支えている皆さまが実質賃金を下回る大変厳しい労働条件で働いていることを決して忘れてはならない」と強調。日本人の平均年収がすでにアジアでも5位に落ち込んでいる事実を指摘し「もう一度先進国なみの賃金を目指していかねばならない」と述べました。

2026 春闘アピール

春闘アピールを提起した岩渕マリ中央委員(東京地連・東洋交通労組)

本日、我々は第104回中央委員会を開き、昨年に続いて大幅な賃上げを求める春闘方針を決定した。

ハイヤー・タクシー・自動車教習所産業は、社会に必要不可欠な産業である。そして、この産業で働く我々は、まぎれもないエッセンシャルワーカーだ。しかし、長年にわたって我々は、自らの〝仕事の価値〟に比べて不当に低い賃金・労働条件に耐えてきた。今こそ、賃金格差に終止符を打ち、この苦しみを終わらせなければならない。2026春闘は、我々の〝仕事の価値〟を、経営者に、そして社会へと問い直し、〝仕事の価値〟に見合った〝正当な対価〟を求める闘いである。

物価も賃金も上がらない「失われた30年」はすでに過去となった。他産業では中小企業も含めて大幅な賃上げが続き、最低賃金も過去最高の引き上げが続いている。「人材を獲得するには、賃上げしかない」という認識は、いまや日本社会の常識である。同時に、際限なき物価高騰は、我々と家族の生活にとって深刻な危機となっており、物価に見合うだけの賃金上昇がなければ、生活を維持することすらままならない。

ハイヤー・タクシー・自動車教習所の産業を未来につなぐためには、他産業との人材獲得競争に打ち勝てる水準の賃金、そして労働者が豊かに生活できる水準の賃金と安心して長く働き続けられる労働環境を実現するしかない。それ以外に道はない。経営者に対し、運賃や迎車料金、教習料金などの価格転嫁を迅速かつ適切に実行し、増収分を最優先で賃金に配分することを求める。我々は、職場を守るための協議には応じるとしても、根拠すら示さず一方的に不合理な労働分配率の改悪を強行するがごとき暴挙は決して認めない。ましてや最賃法違反や不当労働行為を行う悪質な経営者に対しては全国の仲間が一丸となり、団結して闘い抜く。

同時に、地域の公共交通や交通安全センターの役割を果たし続けるために、国や自治体に対し公的支援を要求する。特に需要減少の激しい地方では、民間の努力のみで産業を維持することは限界だ。事業の存続への支援、適正な賃金水準の確保への支援、値上げの負担が大きい利用者への支援を労使一体で求めていこう。そして、ライドシェアの完全解禁は、利用者の安全と安心を破壊し、公共交通を破壊し、我々労働者の生活を破壊する愚行である。絶対に許さない。断固阻止への強い覚悟を改めて確認しよう。

2026春闘は「住民の暮らしを守る最後の砦」である、我々エッセンシャルワーカーの生活と矜持、そして産業の未来を賭けた闘いである。なんとしても大幅な賃金・労働条件の向上を勝ち取るため、我々は、全自交の旗の下で団結を強化し、闘い抜くことをここに宣言する。

2026年1月21日
全自交労連第104回中央委員会

2026 春闘標語

  • 要求せずして変化なし!(東京地連・帝都自動車交通労働組合)
  • 公共交通を支える誇り、それにふさわしい賃上げで(東京地連・帝都自動車交通労働組合)
  • カスハラ対策の徹底で 労働者を守ろう(東京地連・帝都自動車交通労働組合)
  • 魅力ある賃金、働きやすい職場、勝ち取る春闘!(東京地連・帝都自動車交通労働組合)
  • 今春闘 追いつけ追い越せ格差是正(東京地連・帝都自動車交通労働組合)
  • 労働条件改善 持続可能なタクシー産業へ(東京地連・日交労働組合板橋支部)
  • 賃上げで守ろう 地域公共交通(東京地連・大和自動車交通労働組合)
  • ギグワーカーの増加こそが雇用破壊!ライドシェアに終止符を!(東京地連・日交労働組合千住支部 大瀧恵吾さん)
  • 白タクは入れるな、許すな、取り締まれ(東京地連・日交労働組合三鷹支部 四童子徹さん)
  • 政権交代でつくる! 世界の平和と安心な暮らし(全自交労連本部制作)

※組合員の皆さまから寄せられた142作品の中から9作品を選考しました。1月20日に開催された労連本部の第2回中央執行委員会において、各受賞者・各受賞団体に、3千円分のクオカードをお渡ししています。

合意なく賃下げ強行

これこそ組合潰しの目的だ!

兵庫地連の成田書記長は、全自交労連の中央委員会で賃下げ攻撃を報告し「絶対に許すことはできない」と怒りをあらわに

不当な労働組合潰しの攻撃を繰り返す「神戸相互タクシー株式会社」が、今度は労働組合の合意なき賃下げを強行しました。

神戸地域では11月27日に10%の運賃改定が実施されましたが、会社側は、12月16日付で賃率1・5%の引き下げをはじめとした大規模な賃下げを強行。1月27日の給与支給日には、全従業員に対する賃下げが実際に行われたことが明白となりました。

会社は、第2組合の「従業員組合」とのみ団体交渉を行って賃下げの合意を取りつけ、「全自交兵庫地連・神戸相互タクシー労働組合」とは団体交渉すら開かぬうちに、全従業員への賃下げを強行したのです。神戸相互タクシー労働組合は1月30日に会社へ抗議文を提出し、ただちに団体交渉を行うよう申し入れました。

そもそも、この第2組合自体が全自交の組合をつぶすために会社側が主導し、〝営業所の所長〟が〝労働組合の委員長〟になって結成された組合です。会社側は、この第2組合への強引な引き抜きなど数々の不当労働行為、安尾崇伯副委員長に対する不当解雇などの極めて悪質な攻撃を続けてきました。

なぜ会社側は、労使で長年の信頼関係を築いてきた労働組合に対し、これほど強引な組合潰しを仕掛けてきたのか。その真の目的が賃下げにあったことは、もはや明白です。

さらに運賃改定の主な目的が「労働条件改善」であるにも関わらず、会社側は「売上の上昇が見込まれるので一部会社に還元してもらう」「前回の改定では歩率を変えなかったので」という全く合理性のない主張を述べており、断じて認められません。

自立した労働組合だけが労働条件を守れる

1月21日に開かれた全自交労連の中央委員会では、兵庫地連の成田次雄書記長が、激しい怒りとともに会社側の賃下げ強行を報告し「兵庫地連として引き続き闘いを支援し、行政にも報告していく。どうぞ皆さまのご支援をお願いしたい」と発言しました。

全自交労連の本田有書記長は「労働組合の認めない一方的な賃下げは違法行為である。許されない」と断じ、「しっかりと自立した労働組合が職場になければ、労働条件は事業者の一方的な考えでどんどん悪くされる。その自立した労働組合こそが、全自交に加盟する神戸相互タクシー労働組合だ。全自交労連全体で支える。しっかり闘っていただきたい」と応じました。

軽自動車タクシーの是非

全タク連が検討スタート

現在タクシー営業車両として国に認められている軽自動車は、日産・サクラなどEV(電気自動車)に限られています。しかし「通常の軽自動車もタクシー営業車として使えるようにすべきではないか」という声が一部のタクシー事業者から上がり、全国ハイヤー・タクシー連合会は、営業用車両に軽自動車を認めることの是非や課題について検討を開始しました。

検討の背景には、特に地方の厳しい事情があります。コンフォートなど従来のタクシー専用車がLPガススタンドの撤退や車歴の古さで使えなくなっている問題や、「車両を更新したいが、JPNタクシーもシエンタも新車では高くて買えない」あるいは「購入したいが納車待ちが長く、補助金制度も利用しづらい」という課題は、全自交の現場の仲間からも近年頻繁に聞かれるようになってきました。

その解決策として軽自動車の活用が浮上したのですが、一方で安全性や乗務員の疲労に与える影響、運賃や乗務員の賃金への影響、導入する場合も地域や保有比率に条件をつけるべきではないかなど、検討が必要な課題は多くあります。

1月26日に全タク連が開催した「第1回・タクシー事業における軽自動車の活用小委員会」には、全自交労連の本田有書記長が、国土交通省の重田裕彦旅客課長と共にオブザーバーとして参加。本田書記長は、仮に軽も普通車運賃と決めた場合でも、利用者から「軽自動車は普通車より安くて良いのではないか」という声が上がる懸念や、運賃改定自体を自粛する影響が出る懸念があることを指摘しました。

全自交労連は、小型車・中型車運賃が並立していた時代から長年の時をかけて「普通車運賃」へと統合を進め、安売りによる弊害を駆逐してきた歴史を踏まえつつ、同時に地方のタクシー業界の厳しい現状も踏まえ、ハイタク労働者の視点で意見を発信していきます。

東京の運賃改定に横やり

RS解禁派の学者が反対意見

東京のタクシー運賃の値上げについて議論する「内閣府消費者委員会・公共料金等専門調査会」が1月14日、28日の両日にわたって開かれ、国土交通省より「10・14%」の改定率(案)が示されました。

しかし、慶応義塾大学大学院・経営管理研究科の太田康広教授が「高すぎる」と繰り返し反対意見を表明。適正原価に適正利潤を加えた〝運賃の総括原価方式〟そのものを批判し、さらには「日本でライドシェアが解禁されていないことに消費者は不満をもっている」「競争が激しくなれば料金が下がる」と、安全性や労働者の待遇を完全に無視した暴論を繰り広げました。

そのため消費者委員会の結論は先送りとなり、東京の運賃改定の日程や改定率に暗雲が立ち込めています。

ハイタク労働者はこれまでも、ライドシェア解禁論を繰り返す竹中平蔵・慶応大名誉教授や、タクシー規制緩和を主導した中条潮・慶応大名誉教授ら、新自由主義者によって低賃金に泣かされてきました。しかし、彼らこそが現在の「安い日本、貧しい日本人」を生んだ元凶です。「エッセンシャルワーカーに相応しい適正な賃金」を妨害する行為に強く抗議します。

消費者代表 賃下げは業界にマイナス

「国と業界で指導を」

一方、同調査会の14日の議論の中では、消費者の立場を代表する委員から、ハイタク労働者の目線に立った貴重な発言もありました。

全国消費者団体連絡会の郷野智砂子事務局長は「令和4年の運賃改定の後、『増収分を労働条件改善にまわさずに、逆に労使協議もなく賃下げを強行した事業者がいる』と聞いています。こうした悪質事業者を放置することは業界にとってもマイナスだと思います。国と業界団体で連携して悪質事業者の監視・指導等をお願いしたい」と意見を表明しました。

国土交通省の重田裕彦旅客課長は、賃金が増えていない場合でも賃金以外の労働条件を改善した事例もあると前置きしつつ、「運賃改定の目的が労働条件の改善であるならば、それに従っていただくことが基本だ。今回の運賃改定の後も労働条件改善を求めていく」と回答しています。

東京では、前回の運改後の一方的な賃下げに対し、東京地連・飛鳥ファミリー労働組合の仲間が裁判を闘っています。消費者の声を力に変え、一方的で不条理な賃下げを阻止しましょう。

岩手地本 中央委員会

「全自交を風下から風上へ押し上げ、一枚岩でがんばろう」とあいさつする今野徹委員長

全自交岩手地方本部は2月1日、盛岡市内で中央委員会と旗開きを開催し、迎車料金や冬季割増運賃の導入による賃金格差の是正や、ライドシェア導入阻止を柱とする春闘方針を確立。今野徹執行委員長は「春闘では、少しでも多くの改善を勝ち取れるよう組合員のために取り組もう」と呼びかけました。中道改革連合への支援を明言し「必ず選挙へ」と語りました。

全自交東北地連の高橋学執行委員長と全自交労連の津田光太郎書記次長が春闘に向けた講演を行いました。

森茂前委員長(右)に感謝状を贈呈
岩手1区の階猛候補(中道)も駆けつけました

岩手地本北都支部 組織拡大へ宣伝

岩手地本北都支部は2月2日、花巻地区・北上地区で宣伝行動を行い、未組織労働者の悩みを聞きました。


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