全自交労連は2025春闘において、長年にわたる月間原資1万円の賃金改善要求の方針を転換し、運賃改定等による増収反映分を含めながらも、ハイタク月額2万8千円以上、自教月額1万8千円以上の賃上げを要求水準として闘った。これは『他産業との賃金格差是正』を成し遂げるために必用な賃上げ額を勘案した要求水準である。連合集計で5%台の賃上げが2年続き。また連合が掲げる中小の要求水準自体が6%を超える状況において、ハイタク・自教労働者と他産業平均との賃金格差を是正することを方針の基軸としたのだ。
事業者側から「法外な要求額」と言われながらも全自交の仲間は必死に闘った。他産業との労働力獲得競争に負けない労働条件を築き上げなければハイタク・自教業界に未来はない。全ての地域住民に安全・安心な輸送サービスを安定的に供給する公共交通従事者に相応しく、地域の安全センターの責務を果たす自教労働者に相応しい賃金の確立こそが、真に必要であることを交渉の場において説明した。
ハイタクの運賃改定で生じた原資を適正に労働者に配分し、労働条件の改善を図ることは、運賃・料金を支払う利用者との〝約束〟である。根拠のない不条理な労働条件の改悪を迫る事業者とは今後も毅然と対峙していかなければならない。万一、事業者から賃率引き下げ等、労働条件が低下する提案がなされた際には、決算書等の充分な根拠資料の提出と丁寧な説明を求める。組合員の働く場を守る観点から、組合が止むを得ないと判断し得る場合にも、事業者から収支改善に向けた施策や労働条件改善につながる対案等、組合員にとって将来への希望が持てる施策を引き出さなくてはならない。
一方で全自交労連が実施した『生活・労働実態調査』の結果では、全体的な平均年収は改善傾向にあるものの、組織内における地域間格差は依然として生じている。2026春闘においても『他産業との賃金格差是正』の基本方針は変わらないが、地域間格差の実情を踏まえた取り組みが必要である。
これらの事を踏まえハイヤー・タクシーの26春闘における賃金改善の要求を月額2万8千円・8%以上(運賃改定等による増収反映分を含む)、自教については月額1万8千円以上とし、都道府県ごとの全産業平均賃金との格差是正を目標とすることで地域間格差との整合を図りつつ賃金改善を目指し闘う。
「歩合給であるハイタク運転者の賃金は個人の努力次第」。労使交渉の場において幾度となく聞かされてきた言葉だが、今労使で話し合うべき事は『地域最低賃金の上昇をはるかに上回る賃金水準の確立は勿論、他産業を上回る賃上げを可能とする生産性を伴った産業構造と、運賃改定や営業施策によって向上した営収が、適正に賃金に反映される仕組みの維持・構築』である。事業者の意識改革をも促さなければならない。
コロナ禍という苦境において賃金が激減する中、エッセンシャルワーカーと称されながら地域住民の移動の足を守るために我々は必死に耐えてきた。コロナ禍に受けた傷が癒えていないのは事業者だけではない。我々も同じなのだ。
2026年春闘に向けた全自交組合員に対する「生活・労働実態調査」の概要
※調査期間 2025年9月~10月 回答23地連本(23都道府県)の1210人
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平均年収 |
世帯年収 |
「家計収支が赤字」と回答した組合員の比率 |
「物価高騰の影響が大きい」と回答した組合員の比率 |
| 2025年 |
¥4,096,000 |
¥5,645,000 |
28.3% |
57.5% |
| 2024年 |
¥3,963,000 |
¥5,442,000 |
27.4% |
55.2% |
| 増減 |
133,000円増 3.36%増 |
203,000円増 3.73%増 |
0.9ポイント増 |
2.3ポイント増 |