全国自動車交通労働組合連合会はハイタク産業に従事する労働者で構成する労働組合の連合体です。本ホームページは、どなたでも自由に全てご覧いただけます。


ホーム > ニュース > 2020年4月15日掲載



新型コロナの緊急対策を要望 国交省・厚労省・財務省・金融庁にタクシー産業の危機的状況を訴える

タクシー政策議員連盟は3月24日、衆議院議員第二会館の会議室で総会を開き、増子会長以下48名の衆・参国会議員が出席し、現在、猛威を振るう新型コロナウイルス感染拡大に対する対策について国への要望を討議しました。参加した全タク連とハイタクフォーラムは新型コロナの感染拡大によるタクシーへの影響を報告し、会社の存続が問われる危機的状況にあることを訴え、緊急で実効性のある対策の実行を求めました。

新型コロナの感染拡大の影響を
受けるタクシー産業に緊急対策を要望
この日、タクシー政策議員連盟総会には衆・参の国会議員48名が出席するとともに、全タク連、ハイタクフォーラムのメンバーが参加しました。総会の冒頭、議連の広田一事務局長が「新型コロナの感染拡大で東京五輪の延期が決まった。コロナ対策に与党も野党もない。しっかり取り組んでいく」と述べ、司会を務めました。
議連の増子輝彦会長は挨拶で「この国難を挙国一致で乗り越えていこう。雇用確保の政策を打ち出し、いかに政府と対峙して実現していくか、我々も試されている」と述べました。
次に全タク連の川鍋一朗会長は「新型コロナの感染拡大で売上は約4割減っている。
2月から48地域で運賃改定されたがこれがなかったらもっとひどかった」と述べ、マスク支援、資金繰り支援、乗務員の雇用確保策、「預かり減車」等の要望書について説明しました。
国土交通省の一見勝之自動車局長は「まさに国難。人ができることは何でもやる」と述べ、乗務員の雇用確保の重要性と「特別減車」(=休車・預かり減車」を可能にすることやその際の自賠責保険免除に言及しました。

北海道ハイヤー協会の今井一彦会長は「知事の緊急事態宣言後は街に人がいない。最低賃金を払うのにも四苦八苦している」と厳しい現状を報告し、出血を止める緊急対策を求めました。
ハイタクフォーラムの伊藤実代表は「タクシー産業では歩合給が広く採用されており、乗務員は生活に不安を感じている」と訴え、職場確保策とマスク配布を要望しました。その後、出席者との意見交換を行い、新型コロナの感染拡大で大きな影響を受けているタクシー産業を支援するために必要な政策の実行を政府に求めていくことを確認しました。
そして、全タク連の坂本克己最高顧問が参加者を激励するとともに、各地で乗務員の声を聴くことを要請しました。最後に議連の辻元清美幹事長がまとめの挨拶を行ってタクシー産業を守るためにタクシー議員連盟の総力を結集し奮闘することを誓い合いました。


国難を乗り越えよう!雇用確保に総力結集を誓う

与党・野党の壁を乗り越え
政策実現を訴える増子会長
タクシー政策議連 増子輝彦会長

雇用確保に総力を結集する

新型コロナは未知のウイルスとの戦い。この国難をどう乗り越えて行くのかが喫緊の課題だ。挙国一致で取り組んでいく。
コロナウイルスをどのように退治するのかに加えて、今、経済が異常なほど縮小しており、「集まるな、移動するな、会うな、出ていくな、来るな」と言われ、環境が激変してしまった。
これからの経済対策で政府の言う通りやっていていいのかという疑問を感じながら、今日は緊急にタクシーの事業者団体や労働組合に来て頂き、国土交通省などの行政の関係者にも来て頂いた。 
「一難去ってまた一難」。昨年、運賃改定が延期された問題では2月1日から運賃改定実施となり、みんなで力を合わせて乗り越えてきた。新型コロナウイルス問題も与党・野党の壁を乗り越えて闘って、新しい時代を作っていかなければならない。
東京オリンピックも延期となり、インバウンドのなくなる中、国民の足としてのタクシーをしっかり支援していく。地方には中小企業が多いがそれが倒産して自殺者が増えることは避けなければならない。働く人の雇用確保について我々が政策を打ち出し、政府と相対しながら、政策をどう実現していくのか、我々も試されている。タクシー政策議連の総力を結集して頑張っていきましょう。


全タク連の要望書を
説明する川鍋会長
全タク連 川鍋一朗会長

賃金減少分の補填と預かり減車を

タクシーは地域密着、労使一体でライドシェア問題も取り組んできた。運賃改定も48ブロックで2月1日からスタートできた。皆様のご尽力に感謝します。しかし、それもつかの間、コロナの影響でタクシーの売上は前年対比で約4割減に落ち込んでいます。運賃改定がなかったらもっとひどい状況になっていたと思う。
要望書をまとめましたので説明します。●マスク・消毒液・防菌シート、感染防止仕切り版、窓開け運行、洗車等を取り組んでいるが、マスクが足りない。医療機関が優先なのはわかるが、次に公共交通機関に回してほしい。●資金繰りも大きな問題だ。固定資産税、社会保険料、労働保険料が大きな額となっている。売上の7割が人件費であり納税等の猶予をお願いしたい。無利子・無担保の融資もありがたいが、できるだけ返済を後ろに伸ばしてほしい。●乗務員の雇用継続で雇用調整助成金もありますが、タクシーは止めるわけにはいかない。出た運転手の方が低くて休んだ方が高いというモラルハザードにおこりかねないので、前年同月ベースで賃金減少分の補填を考えていただきたい。歩合給では売上が4割減れば賃金も即日4割減ってしまうので乗務員の生活が心配だ。●休車=預り減車制度をお願いしたい。余っている車の任意保険や法定整備費もかからなくなる。自賠責は登録抹消しなければならないが、この点もお願いしたい。


災害時に命をつなぐタクシー
の重要性を語る今井会長
北海道タクシー協会 今井一彦会長

社保や税の免除で出血を止めて

札幌から来ました。新型コロナの感染拡大を受け、2月28日に北海道知事が緊急事態宣言を出したが、翌29日からは街には全く人がいなくなった。店にも人がいない。そんな状態がずっと続いた。3月19日に緊急事態宣言が解除されたが、一度減った客が戻るには時間がかかる。
札幌ではタクシーの売上が約4割から5割落ち込んでいる。北海道の中ではそれでも札幌が一番良い方だが、その札幌でさえ、8時間日中仕事して1万円稼げない。北海道の最低賃金が時間額861円です。8時間で約7000円です。法定福利費を入れると8000円超えます。売上をそっくり人件費に持っていっても何も経費が出ない。最低賃金を支払うことすら四苦八苦しているのが今の状況です。そういうことを是非ご理解いただきたい。
3月初旬に北海道としての要望を国会議員に示して働きかけています。要望書では、社会保険料の事業主負担分の支払いを猶予してもらえればかなり違います。助成金をいろいろお願いするが時間がかかる。そうではなくて出ていく出費を抑える。今はもう血が流れているわけでこのままでは失血死しかねない。月末に支払うものを免除・減免してほしい。あと、消費税です。例えば売上が3割減少していれば、4月末に会社が支払う消費税を免除してもらいたい。現在も年間売り上げ1000万円なければ納税義務はありません。売上が大幅に減った会社をそれと同じ扱いにしてほしい。水道・光熱費の免除もお願いしたい。そうすることで最低賃金も支払うことができるようになる。
雇用調整助成金は休業すれば使えます。しかし、タクシーは休業できない。北海道地震の時も2日間ブラックアウトした。唯一、タクシーだけが動いた。災害時に命をつなぐ公共交通はタクシーしかない。助成よりもまずは出血を止めてほしい。


災害時に命をつなぐタクシー
の重要性を語る今井会長
ハイタクフォーラム 伊藤実代表

歩合給により生活不安が増大
マスクの不足解消に支援を求める

今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、タクシーの運賃収入が大きく減少している。タクシー職場の賃金は歩合給が広く採用されており、このような状態か続けば現場の乗務員が今後の生活に大きな不安を抱えている状態だ。
地方においては、体力がないタクシー事業者が多数存在していて、最低賃金の支払い問題も含めて、事業の存続が難しいこともあって、職場をいかにして確保するのか、雇用をいかに確保するのかについて大きな課題となっている。雇用を守るため、出血を止めるという事も含めて職場を存続させる観点からのご支援をお願いしたい。
また、不特定多数のお客様を乗せるということで、乗務員には手洗い、うがい、車内の換気をこまめにするように指示をしていますが、マスクの着用が利用者と乗務員の双方にとって安全・安心につながると思っていますが、マスクが不足している。不足解消の支援をお願いしたい。


国交省 一見勝之自動車局長

雇用を守ることが最重要

国難です。悪いのはウイルス。一刻も早く撲滅しなければならない。国交省は「人ができることは何でもやる」という決意で取り組む。タクシーは地域の日常生活に欠かせない乗り物であり、観光の重要なツールでもあるが、ダイヤモンドプリンセス号の下船時にもタクシーに活躍してもらった。最後に頼りになるのは公共交通機関だ。反転攻勢の時にタクシーが棄損しないようにしたい。
まず、雇用を守ることが何より大事。過去に例のないような対策が必要だ。厚労省には公租公課の減免をお願いしている。特別減車(休車=預り減車)はできるようにやっていきたいと思っている。自賠責保険の掛け金を払わなければ楽になると聞いている。どのような形にすればいいのか検討しているところだ。


発言する坂本名誉顧問
全タク連 坂本克己最高顧問

ドライバーの声を聞くのが一番

行政の関係者の皆さんにはよろしくお願いする。
我々の職業はあくまでもそれぞれの地域の活性化を守っている。ということは現場のタクシードライバーが担っている。この乗務員の皆さんが「こんな仕事はやめた」となってはならない。
コロナが収束して立ち上がる時が来たとき、日本再生のためにはタクシードライバーが各地域で絶対に必要。各地【2面より続く】域の声を聴いているが、議員の皆さんには運転手の声を是非聞いてほしい。それが一番わかる。
労働集約産業が一枚岩で成果を上げているこの議連が最後の砦。政管労使が一つになり、「今日の会合が本当に良い会合をした」と後刻評価されますことをお祈りする。


発言する坂本名誉顧問
タクシー政策議連 辻元清美幹事長

タクシーへの特別な配慮を求める

今日はありがとうございました。今日出されましたご意見をしっかり集約して実現に向けて団結していきたい。
タクシーの問題については与党とも協調体制で官邸と闘ってきた長い歴史がある。今回も同じ土俵でしっかりと政府に求めて生きたいと考えている。今、政府と与党・野党の連絡協議会が設置されています。そこに持ち込んで一つ一つ実現できるように頑張っていきたい。
いざ災害が起きた時、また、高齢化社会になっていく中で、今回の新型コロナの危機でタクシー業界が小さくなってしまったり、痛んだりしてしまえば、日本の社会の支え手が棄損してしまうことにつながりますので、ここは特別の配慮でタクシーの適切な政策を政府にも私たちは求めていきたい。
リーマンショックや東日本大震災よりも今回の方が経済危機は深刻であるという認識のもとに進めていきたい。
ご協力をお願いします。






厳しい交渉で19組合(5581人)妥結

2020春闘は4月の統一行動ゾーンに入り全国で交渉を追い上げていますが、新型コロナの感染拡大の影響でインバウンドが途絶え、イベントも自粛される中、運送収入が大きく低下し、春闘も厳しい交渉が続いています。
3月31日までの集約では、北海道地連の5組合、岩手地本の3組合、東京地連の2組合、石川ハイタクの3組合、静岡ハイタクの5組合、愛媛地本の1組合が妥結しました。妥結組合は合計で19組合。組合員数では5581人となっています。
妥結内容は、小樽つばめ(余市)で配分率アップ、春駒労組で基本給改善、日交労都内ハイヤーで定昇確保、網走ハイヤーで無事故手当(月額)を実現しました。年間一時金では日交労都内ハイヤーで平均52万円+3万円を獲得しています。また、5組合で解決金・年間無事故手当等を確保しました。
伊豆箱根タクシーでは3月から賃金体系をB型からA型に変更しています。



全自交中部地連・北信越5県連絡協議会 アウトロー事業者に強力な指導を

全自交中部地連・北陸信越5県連絡協議会は3月5日、 新潟地連の宮澤委員長・海藤書記長、長野地連の中村書記長、富山地連の石橋委員長、石川ハイタクの畠下委員長の5名で新潟市中央区美咲町の合同庁舎2号館6階会議室に出向き、北陸信越運輸局に対し、3項目9課題の要請行動を実施しました。
北陸信越運輸局からは自動車交通部の高橋義孝部長、自動車交通部旅客課の竹村康仁課長、自動車交通部旅客課の廣井和幸専門官、自動車交通部旅客課の島谷尚之課長補佐ら計6名が対応しました。最初に新潟地連の海藤書記長がハイタクの現状は問題点が多く管内の各地連と行政側との意見交換の場を求めたとする趣旨を説明し、北陸信越運輸局の真摯な対応をお願いしました。
次に北陸信越運輸局高橋義孝自動車交通部長が、ハイタク労働者の考え方に行政側も差異はなく、忌憚のない意見交換の場となることを期待する旨が述べられた後、高橋部長に対して富山地連石橋委員長から要請書を手交しました。その後、竹村旅客課長が要請課題一つ一つに対する国交省の考え方を述べ、各県の問題点についても意見交換を行いました。
要請書を手交する石橋委員長(左)

新潟地連からは、特定地域協議会における供給制限不同意を受け、適正化・活性化には程遠い実態にあることや運賃改定申請を行わず現行運賃のままの事業者など、アウトロー事業者に対する強力な行政指導を求めました。
長野地連からは、県内で実施されていた定期券タクシーなどの実証実験結果の公表を求めました。
富山地連と石川ハイタクからは、運転代行の白タク行為・類似行為など、国交省から各県公安委員会に事務権限が委譲されてからは悪質業者が増加傾向にあるため、今一度、技術的助言を各県窓口行うように要請しました。
また、現況化のコロナウィルス感染症拡大による業務への影響が大きく、需要の急激な減少による供給抑制のために「雇用調整助成金」を活用した休業措置をタクシー事業者にアドバイスするよう求めました。
最後に、海藤書記長が今後もタクシー労働者と行政の懇談の場を作ることを要望し、要請行動を終了しました。



北海道地連春闘臨時大会

全自交北海道地連は2月17日・18日の両日、定山渓温泉・「ホテル鹿の湯」を会場に2020春闘臨時大会を開き、総勢55名が参加しました。
あいさつに立った鈴木委員長(=写真)は「悲願の運賃改定が2月1日から実施された。運転者不足により事業廃止も出ている。労働者の労働条件が改善されることが何より重要だ」と訴え、総決起を呼びかけました。


北信越5県春闘討論集会

北信越5県の春闘討論集会が2月26日・27日の両日、長野県松本市の浅間温泉で開かれ、全自交労連の松永書記長、中部地連の本田委員長が駆けつけました。開催県代表で挨拶した長野地連の中村書記長(=写真)はコロナの影響を乗り越えガンバロウと訴えました。


関東地連・東京地連春闘討論集会

関東地連と東京地連は合同で3月2日、全自交会館で春闘討論集会を開き、コロナ感染予防を訴えるとともに、統一要求を確認し、連携を強めて闘う方針を決定しました。


組合旗を贈呈する
溝上委員長(左)と
受け取る大松委員長(右)
東京地連中央委員会

東京地連は3月2日、都内で中央委員会を開きスト権を確立するとともに、「ライオン交通労組」から「改進労働組合」への名称変更を承認し、組合旗を贈呈しました。


マスク配布でライドシェア合法化阻止を訴える

全自交京都地連は2月26日午後2時より、京都市の中心部で組織拡大行動を行いました。
この日午後2時より、JR京都駅烏丸口と八条口乗り場のタクシー待機プールで「タクシー産業を破壊するライドシェア合法化は絶対阻止」「安全破壊と無権利労働を許さない」を訴えるチラシとマスクを待機する乗務員に配布しました。
街頭宣伝行動に参加したのは、京都地連の櫻井邦広委員長をはじめ三役と三名の組合員です。
新型コロナウイルスの影響で、タクシー利用客が激減しているため、どこのタクシー乗り場の待機場所も満杯状態で、マスク配布が好評でした。乗務員も協力的で意義ある拡大行動になりました。
JR京都駅の八条口タクシー乗り場で訴える仲間


「1か月5%以上低下」に緩和、助成率も5分の4(中小)に









全国自動車交通労働組合連合会
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-9
TEL:03-3408-0875 / FAX:03-3497-0107
E-MAIL:zenjiko-roren@zenjiko.or.jp
Copyright(c) Zenjiko-roren.National Federations of Automobile Transport workers Unions.ALL RIGHTS RESERVED.