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安倍政権を打倒し、白タク・ライドシェア合法化絶対阻止 労働条件整備し、乗務員不足解消を



全自交労連は7月10日・11日の2日間、静岡県の伊東市で「2018夏季労働セミナー」を開き、全国から140名の仲間が参加しました。①内外情勢の特徴、②白タク・ライドシェア合法化阻止、③特定地域の指定延長と適正化・活性化の取り組み、④乗務員不足の解消に向けた労働条件整備、⑤機関紙活動と学習会を重視した組織拡大・強化を提起しました。また、国交省の金指和彦旅客課長、戸崎肇特任教授、嶋﨑量弁護士、ITFの浦田誠内陸部長から講演を受け、全体討議と討論のまとめを行った後、団結ガンバロウを三唱し、成功裏にセミナーを終了しました。

服部達彦副委員長が開会の挨拶を行い、座長に関東・神奈川の佐藤秀幸氏を選出。江良實副委員長が運営日程を提案した後、伊藤実中央執行委員長が挨拶。冒頭、甚大な被害を出した西日本豪雨と大阪北部地震の被災者支援を表明しました。そして5月23日のハイタク8団体総決起集会を紹介するとともに、「規制のサンドボックス制度を活用したライドシェアの実証が狙われているが、『法令違反が認定されないように対応する』とする参議院附帯決議があげられた。今後とも警戒と注視が必要だ」と呼びかけました。また、市民会議の運動や地方議会での意見書採択等について「世論形成の上で力となった」と述べ、さらなる奮闘を訴えました。

講演の最初に国土交通省の金指和彦旅客課長が、①タクシー特措法の施行状況、②ライドシェアの動向、③「働き方改革」等について説明しました。新経済連盟のライドシェア新法提案について「ドライバー責任が明記されており利用者保護の点でクリアしていない」と述べました。
その後、首都大学東京の戸崎肇特任教授が「働き方とライドシェア問題」について講演し、「震災が起こればタクシーが足りなくなるため、ライドシェアが必要だとなる」と述べ、災害対策が後手になっている現状を述べるとともに、物流の人手不足がライドシェア導入に向かわせるという指摘や、高齢ドライバー事故問題と公共交通強化の必要性について訴えました。
その後、嶋﨑量弁護士が安倍政権が進める「働き方改革」について講演し、罰則付きの時間外労働上限規制と抱き合わせで導入される「残業代ゼロ」の高度プロフェッショナル制度の危険性を解説するとともに、様々な情報発信ツールとしてSNSを活用し政策実現や交流・組織化に挑戦することの重要性を参加者に訴えました。
その後、松永次央書記長が2018春闘の特徴的な闘いを報告するとともに、乗務員不足の解消に向け、労働条件確立に向けた取り組みなどを提案して第一日目を終了しました。
第二日目は、江良實副委員長が運営日程を提案した後、ITFの浦田誠内陸部長が世界におけるライドシェアの現状について講演し、ヨーロッパでウーバーが禁止・排除されている現状を述べ、「ライドシェアの推進は今や時代遅れだ」と指摘しました。
その後、全体討論を行い、松永次央書記長がセミナー全体のまとめを行いました。その後、北坂隆生副委員長が閉会挨拶し、最後にガンバロウ三唱で締めました。


ライドシェアを絶対に許さず、公共交通を守る

タクシー政策議員連盟総会が7月4日、衆議院第二議員会館・多目的ホールで開かれ、立憲民主・国民民主・無所属議員ら42人(その他、議員秘書49人)が出席し、規約と役員体制を確立しました。この総会には全タク連、交運労協、ハイタクフォーラムの構成組織らも出席するとともに、国交省など関係省庁も参加しました。
総会は、もとむら賢太郎事務局長が司会を務め、最初に増子輝彦会長が挨拶し、「95人の議員が力を合わせてしっかりやって行く。白タク・ライドシェアを絶対に許さず、地域に欠かせない公共交通を守る」と決意を述べました。
次に辻元清美幹事長が「伝統ある議連であり、闘うタクシー議連として頑張る」と挨拶しました。全タク連の坂本克己最高顧問は「爆発的エネルギーで運動を進めたい」と述べるとともに、川鍋一朗会長が「タクシーを進化させ、ライドシェアを阻む」と決意を述べました。続いて、交運労協の住野敏彦議長が安全な地域交通を守る重要性を訴えるとともに、ハイタクフォーラムの伊藤実代表が中国式白タクの取締りやジャスタビへの対応を要請しました。
その後、国交省、内閣府・規制改革推進会議、内閣官房、警察庁から状況説明を受けた後、ITFの浦田誠内陸運輸部長が「世界におけるライドシェアの状況」と題する講演を行いました。
7月9日現在、タクシー政策議員連盟の入会者は、衆議院70名、参議院27名、合計97名となっています。
タクシー議連総会で挨拶する
ハイタクフォーラムの伊藤代表



「ドライバーの運送責任」を明記しており利用者保護の問題をクリアしていない

春闘勝利へ決意固める参加者
国土交通省旅客課 金指和彦課長

1. タクシー特措法の施行状況

タクシーを巡る最近の情勢についてお話しします。皆様方からも現場の状況を聞かせていただければ幸いです。
タクシー特措法の施行で供給力の削減に取り組みはじめ、改正タクシー特措法の施行でそれが強化されました。車両数の減少が続いた結果、日車営収(1日1両あたりの営業収入)はそれに伴って回復してきていますが、一方で需要の減少が続いているのが現状です。
特定地域の取り組みでは、多くの地域で依然として日車営収と運転者賃金は低い水準のままとなっており、労働条件の改善に向けて、引き続き特定地域計画・事業計画に基づく適正化・活性化の取り組みを進める必要があると思っています。特に活性化については多様なニーズに応え、サービスの高度化・高質化に取り組み、需要拡大・労働条件向上につなげて行きたいと考えています。

2. ライドシェアを巡る動向

ライドシェアの問題点は、①運行管理・車両整備等により、過労運転等を防ぎ、未然に事故を防止する対策が不十分、②事故発生時に賠償責任をドライバーのみが負う形は国民の理解を得られない、③ライドシェアドライバーの地位や待遇が世界各地で問題になっているだけでなく、タクシー運転者の労働環境にも深刻な影響がある、という点を強調しています。国会質疑でも国交大臣は一貫して「安全確保と利用者保護の観点から問題がある」と答弁してきました。今年、新経済連盟が「ライドシェア新法」を提案してきたが、従来の主張と変わらない内容であり、ドライバーに運送責任があると明記している。これでは問題をクリアしていません。
生産性向上特別措置法で「プロジェクト型サンドボックス」が盛り込まれましたが、新技術を実証しようとする者は、計画を作成し、主務大臣の認定を受けることになっています。法案でも「新技術関係規定に違反するものでないこと」と定めており、国会でも世耕経済産業大臣は「仮にライドシェアの申請があった場合、安全性や公益性を保護する規制法令に違反していないことを確認の上、判断する」と答弁しています。
また、参議院で「ライドシェア事業のような安全や雇用に問題が指摘される事業の実証は、規制法令に違反するものが認定されないよう厳に対応すること」という附帯決議も上がっています。

3.タクシーサービスの進化

東京で410円タクシーを導入しましたが、2kmの輸送回数が20%増加し、全体でも7%増加しました。運送収入も4%増加しています。
事前確定運賃の実証実験は、利用回数が約8000回で、利用者の7割が「また利用したい」と回答し、「値段が決まっていて安心できる」という理由が最も多くなっています。
相乗りタクシー実証実験も割安なタクシー利用と生産性向上を目的に行いましたが、課題は相乗りのマッチングが成立するのが1割程度になっていることです。
今年度の取り組みとしては、労働環境改善のための新サービスとして定額タクシー(地方都市)と需要に応じた変動迎車料金(東京)の実証実験に予算を付けました。
UDタクシーの導入促進では国の補助制度(台あたり上限60万円)の他に、地方公共団体が積極的に導入に対する補助制度をつくっているところもあり、UDタクシーの導入が進んでいます。
地方部の地域の足の確保に向けた乗合タクシーも自治体と連携し、全国で4174コースが運行している状況にあります。

4.観光先進国の実現

これまで観光立国を目指してきましたが、今後は観光先進国の実現を目標としています。インバウンド旅行も変化してきており、団体旅行から個人旅行に移行し、スマホを活用した旅行スタイルも広まっています。また、都市部の定番観光地から地方部への観光に広がりを見せ、リピーター数も増加しています。国際観光旅行税を創設し、観光施策の財源を確保することとなりました。
訪日外国人向け白タク行為に対し、警察庁とも連携して対策を実施しています。空港やクルーズ船が寄港する港(約30カ所)に加え、ホテル、観光地、主要駅まで実態調査対象を拡大(60カ所以上)して対応しています。また、訪日中国人向けに白タクの注意喚起と啓もう活動を強化しました。
さらに、訪日旅行者の言葉と決済の不安解消を目指し、タクシー事業者団体の取り組みも進められています。

5.働き方改革

タクシー運転者は、労働時間が長く、年収は低く、平均年齢が高く、女性比率が3%に満たない状況にあります。
働き方改革で自動車の運転業務についても改正法施行後の5年以内に時間外労働・年960時間以内の罰則付き上限規制が適用されますが、実現に向けた目標として、①労働時間関係法令の遵守、②生産性向上と減収につながらない労働時間の短縮、③若年者と女性運転者の確保・育成、④有給休暇取得と乗務員負担の見直し等、賃金制度の改善を掲げました。


首都大学東京 戸崎肇特任教授

講演する戸崎肇首都大学東京特任教授
西日本豪雨・大阪北部地震で被害が出ている。緊急時にタクシーが足りなくなると「ライドシェアが必要」となる。震災対応が後手になってはいけない。新経連のライドシェア新法で「ライドシェアは流しがないから二種免許は不要」と言っているが、台数が増えれば運転者同士で客の取り合いになる。「流しがないから二種免許は要らない」というのは乱暴な議論だ。
働き方改革で上限規制がかかると「長く運転したものが勝ちだ」となる。それを破った業者が得をすることにならないように監視が必要。
物流の人員不足は深刻でライドシェアが入ってきている。アマゾンの動きもあり、物流こそ危機感が必要。スマホでマッチングすることがもてはやされているが、安全は目に見えない。安全をわかりやすく視覚化すべき。
「ライドシェアは地方から」の議論がある。高齢ドライバーが増え、自動運転も出てくると運転技術がますます求められ、二種免許の意義が重要となる。市民会議の運動を広め、自治体の意見書採択をどんどん広めることが重要。
「オリンピックのためなら何をやってもいい」という風潮にあり、時間的な余裕はない。
マイカー行政を改めさせ、公共交通を強化する方向に舵を切らせ、利用者利便と公共性を高めるべき。


SNSを活用し、労働組合の発信力を高めよう

講演する嶋崎量弁護士
日本労働弁護団 嶋﨑量弁護士

本日のテーマは、働き方改革関連一括法案についてとSNS活用による情報発信についてとなっており、この点についてお話したい。
国会で通ってしまいましたが、「働き方改革」で「同一労働・同一賃金」と時間外労働時間の罰則付き上限規制が議論された。しかし、一方で残業代ゼロ制度の「高度プロフェッショナル制度」が導入されることとなった。この「高プロ制度」は長時間労働の是正という課題と全く矛盾するものだ。
高橋まつりさんが過労死に追い込まれた2016年10月の電通事件の社会的衝撃が絶大だった。マスコミもこの過労死を大きく取り上げ、流れを変えた。安倍総理は2014年のダボス会議で演説し、「既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になる」と言っていたが、これは労働法を指している。そして「いかなる既得権益といえども、私のドリルから無傷ではいられない」とまで言っていた。それが、2016年に入ってからは、「長時間労働の抑制」に言及し、女性の活躍を強調する中、電通事件が起きた訳です。この事件後、安倍総理は「ご冥福をお祈りする。二度と悲劇を繰り返さない」として罰則付き上限規制の法改正に進んでいく。
そもそも、残業代の目的は、長時間労働の抑制だ。命と健康を守ることであり、生活時間確保と民主主義の基盤(地域社会での活動や労働組合活動)を確保することにある。安部内閣の矛盾は、初期の政策では労働法破壊であったのに、「働き方改革」では長時間労働の是正を目玉にしたこと。しかし「働き方改革」の狙いは経済政策であり、経済界の要請が強ければ、裁量労働制や「高プロ制度」が入ってくる。経済界の本丸は今回は流れましたが、年収要件もない裁量労働制の拡大であり、またすぐに出てくる。タクシー労働者の場合は、時間外労働の上限規制は5年猶予となり猶予後も緩和された。タクシー労働者の賃金は歩合給がほとんどであり、生活のためには営収を上げたいと考え、長時間働くこととなる。
労働時間と売上が連動しているが、売上と賃金の連動を断ち切らないとタクシー職場で長時間労働を是正するのは難しい面がある。
労働組合の争議・運動や文化活動を広く伝えるのにSNSは便利。組合員からの批判もあると思うが、期待の裏返しだと考え、組合が何を考え、何をやっているのかについてSNSを活用して発信力を高めてもらいたい。


公共性なきライドシェアは日本になじまず

ITFの浦田誠さん
ITF(国際運輸労連)は、陸海空で働く労働者を組織する産別で構成されており、150カ国・700組合・2000万人が加盟し、本部をロンドンに置いている。ウーバーの出現によって内陸部会も世界的な報告が上がるようになってきた。
ウーバーは現在、84カ国・652都市に進出。世界各地で反対運動も闘われている。特徴的な闘いとして、デンマークの取り組みを紹介したい。有名コメディアンを登用して「ウーバーは税金を払わない」「福祉国家が成り立たなくなる」というキャンペーンを行い、ライドシェアに対する世論を逆転させた。このキャンペーンでライドシェア反対が15%から70%に跳ね上がり、ウーバー撤退につながった。ヨーロッパの大半がウーバーを禁止するようになっており「ライドシェア反対は時代遅れ」と言う人がいるがヨーロッパでは、そうした主張が時代遅れになっている。私たちは、このヨーロッパモデルとその反対運動に学ぶ必要がある。
ライドシェアの問題点はタクシー産業を破壊すること。シカゴではタクシーの売り上げが39%減少。年収も4割減った。ニューヨークではタクシードライバーが7か月間に4人も自殺に追い込まれている。また、ライドシェアドライバーの犯罪も大きな問題。ロンドンではライドシェアドライバーの100人に1人が元犯罪者。コロラド州はウーバーに対し、重大犯罪を犯した者を使っていたとして10億円の罰金を科した。最賃より低い報酬で働くことも問題になっている。脱税の問題もあるし、ダイナミックプライシングを導入し、クリスマスや災害時に便乗値上げをする事にも批判が多い。西日本豪雨による被災も起きているが、こうした公共性なきライドシェアは日本になじまない。
ウーバーは安倍首相と面会し、このダイナミックプライシング導入を要請した。
米国の利用者は「若年エリート層」が飲み会に行く目公共交通を侵食しているのが実態。
インバウンドの増加も強調されているが訪日外国人の多くを占める台湾や韓国ではすでに禁止されている。ライドシェア解禁の経済効果も言われているが、人命を金に換算することはできない。
日本は唯一、水際でライドシェアを食い止めている国、油断せず最後まで闘いましょう。ITFも連帯する



長崎県タク森さん

長崎県タクの前書記長が組織破壊を企てたが、心ある執行部と組合員がそれを阻止した。しかし、前書記長は腹いせに3支部を脱退させたが、この3支部が組合費を過少納入していたことが発覚して裁判で争っている。3支部を除名とし、前書記長を権利停止処分としたが、その後も組織破壊行為を繰り返した。地域の労組から支援を受けているが、全自交労連の仲間の支援をお願いしたい。

松永書記長答弁

組織分断と闘う長崎県タクの皆さんを全自交労連としてこれからもしっかり支援していきたい。


〇 質 問

東京地連・福島さん

浦田さんの講演の中で、台湾や韓国では、ウーバーによるライドシェアが禁止されたことが報告されたが、ライドシェアが禁止になった理由は法人タクシーの団体や労働組合などが反対運動を行った成果なのか?

浦田さん回答

韓国の場合は、すでに「カカオタクシー」というスマートフォンアプリがあったことが大きい。もちろん、法人タクシーや労働組合がしっかり対応したし、さらに警察が取り締まりを強化した。確か今でも韓国では白タクを通報すれば1万円もらえるそうだ。そうした結果だと思う。

大阪地連加藤さん

大阪北部地震の報告をしたい。組合員宅の一部損壊はありましたが大きな被害はなかった。西日本豪雨災害での被災については全国でしっかり対応してもらいたい。
6月1日に最高裁で判決が出た長澤運輸事件について、裁判所が、定年後再雇用の者の賃下げを認める判断を行ったが、その判決の中身をしっかり精査して、定期大会の議案書にまとめてほしい。


セミナーまとめ

松永書記長

7月4日に開かれたタクシー議員連盟の総会でITFの浦田さんが講演し、ライドシェアの世界的な状況を解説したが、国会議員や関係省庁・事業者団体から大きな注目を浴びた。ライドシェアの危険性を訴える良い材料になると思う。ライドシェア導入を進めているのは自民党の一部に過ぎない。運動を強化し、ライドシェア導入を阻止する闘いを強めて行こう。
組織拡大は大きなテーマとなっている。機関紙活動の重要性を再確認して積極的に職場・地域で活動し、全自交の取り組みを発信して行く事をお願いしたい。魅力ある労働条件を再構築しない限り、乗務員不足を解消することはできない。2日間のセミナーで学んだことを各職場に持ち帰り、今後の運動に役立ててもらいたい。
まとめを提案する松永書記長


人口減少・高齢化・廃線と向き合う

交運労協ハイタク部会(伊藤実部会長)は6月21日と22日の両日、函館市と上ノ国町を訪問し、公共交通視察を行いました。
参加者は伊藤部会長をはじめとする交運労協ハイタク部会のメンバーの他、全自交北海道地連の鈴木書記長、函館地区交運労協の佐々木議長(全自交北海道地連副委員長)、自治労北海道渡島地方本部の川村委員長が同行しました。
参加者は、6月21日に函館市役所を訪問。函館市企画部の小林部長をはじめ4名と意見交換を行いました。
函館市は、合併を経ても26・2万まで人口が減少していますが、2016年に開業した新幹線函館延伸効果で、500万人以上の観光客を含む入り込み人数が記録されている点が特徴です。2015年に「まちづくり、観光振興と一体となった将来にわたって持続可能な公共交通網の構築」を目指す地域公共交通網形成計画を策定しています。数値目標を掲げていますが、検証が必要な状況です。22日には、函館市から82km離れた上ノ国町を訪問。上ノ国町は、江戸時代から松前藩とともに発展してきた地域ですが、2014年にJR江差線の木古内・江差間の廃止に伴い、鉄道がない、漁業と農業を主な産業とする町です。町役場では、工藤昇町長から公共交通の実態の説明を受けました。函館と江刺へのバス路線が運行し、自家用車のない町民の移動を確保していますが、町内には、タクシー会社が1社・3両しかなく、深夜12時までの営業となっています。工藤町長は病院・保育所・学校への移動について、町が運営するスクールバスや民間バス・タクシーは重要な社会インフラであり、自治体が整備する責務があるとの認識を示しました。
また、「加速度的に減少する人口と高齢化問題を抱える地方自治体として、同じ悩みを持つ市町村と連携し、国に対する要請を行うことも視野に入れている」と述べ、免許返納者等の移動確保について真剣な思いを聞きました。
函館市役所を訪問する参加者



甲府駅前でビラをまく仲間
全自交関東地連(溝上泰央委員長)は6月18日と19日の両日、山梨県と神奈川県で組織拡大キャラバン行動を行いました。

18日の午前中に甲府駅南口からスタートして、韮崎駅、石和温泉駅、山梨市駅、塩山駅、大月駅、橋本駅をまわりました。駅で待機する乗務員に組織拡大を訴えるビラを配布するとともに、通行人には白タク・ライドシェア導入に反対するチラシ入りマスクを配布し、ライドシェアの危険性を訴えました。この日は7カ所で行動を展開し、119枚のビラを乗務員に配布。440枚のマスクを通行人に手渡しました。

翌19日は、神奈川県に入り、小田原駅東口をスタート。その後、平塚駅、茅ケ崎駅、東戸塚駅、桜木町駅、横浜駅をまわりました。この日も7カ所で乗務員に172枚のビラを配布するとともに、通行人に916枚のチラシを配布しました。2日間の合計で、乗務員向け組織拡大ビラを291枚、通行人向けライドシェア反対チラシを1356枚を配布しています。
また、中国式白タクの調査では、小田原駅前で1台の不審者を確認しました。


ウーバーへの配車手数料は明かさず

兵庫県交運労協ハイタク部会(北坂隆生部会長)は、淡路島でウーバーのタクシー配車アプリ導入問題で7月17日に県議会会議室で、淡路県民局と交渉しました。交渉には、全自交兵庫地連からは北坂委員長ら4役と全自交関西地連の加藤委員長、私鉄関西ハイタク労連から阪本副委員長ら2名が出席。「ひょうご県民連合」所属の黒田一美県会議員が同席しました。兵庫県からは、淡路県民局県民交流室の高野滋也室長と同県民交流室の新家清輝地域再生専門官が出席しました。
冒頭、北坂部会長は、「ブラック企業であるウーバーのアプリを税金で導入するのは非常に問題だ」という指摘に対し、高野室長は「国内のアプリも検討したが、外国人観光客相手であり、50数か国で実績があるウーバーアプリが一番良いと判断し、実証実験を行うことにした」と回答。
予算額の3分の2は導入費用や広報費用で、3分の1はウーバーとの契約料等。島内のタクシー車両の3分の1ぐらいに導入の予定と説明。
労働側からの、「タクシーの配車手数料としてウーバーにいくら払うのか」の問いに、高野室長は「手数料はウーバーの利害関係に係る問題なので、非公開とせざるを得ない」と答えました。
また、ライドシェア導入につながる懸念に対しては「ライドシェアについては、全然考えていない」と答え、黒田県会議員も「ライドシェア導入反対の兵庫県議会の意見書の重みを十分認識すべきだ」と釘を刺しました。
来年3月末までの実証実験のデータがまとまったら、再度話し合いを持つことを約束しました。
淡路県民局との交渉にのぞむ
兵庫県交運労協の仲間(右)


6月議会で18議会が採択 北海道10議会、岩手5議会、山形・福島・鹿児島県議会で採択

ライドシェア導入反対の意見書採択が6月議会でさらに前進し、北海道の函館市、士幌町、留萌市、浦幌町、網走市、根室市、稚内市、美幌町、伊達市、旭川市、岩手の大槌町、九戸村、西和賀町、釜石市、大船渡市の各議会と山形県議会・福島県議会・鹿児島県議会の計18議会で採択されました。
これにより、全国で78議会で採択(趣旨採択含む)され、内閣総理大臣、衆・参議院議長、国土交通大臣らに提出されました。
次の9月議会でさらなる拡大をめざします。


戸崎教授が公共交通をテーマに講演

全自交東北地連は6月4日、秋田市内で定期大会を開催し、新年度の運動方針と新役員体制を確立しました。大会には全自交労連の伊藤実中央執行委員長ら多数が駆けつけ参加者を激励しました。
翌5日は「政策セミナー」を開催し、全自交労連の顧問で首都大学東京の戸崎肇特任教授が公共交通をテーマに講演しました(=写真)。
新三役は次の通りです。執行委員長=江良實、副委員長=遠藤栄二、書記長=森茂。
7月9日開催の中央執行委員会で全自交労連副委員長に江良實氏、中央執行委員に遠藤栄二氏が就任しました。


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