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公取委審決取り消し請求を認めず

新潟市内のタクシー会社12社が、運賃カルテルと認定し、排除措置命令と課徴金納付命令を出した公正取引委員会の審決を不服として東京高裁に取り消しを求めた訴訟は9月2日、東京高裁で判決が言い渡され、原告となっているタクシー事業者の請求を棄却する判決が言い渡されました。この日法廷には原告の事業者や全タク連とともに、公正取引委員会に対し抗議行動を闘ってきた地元新潟の労働組合とハイタクフォーラムの仲間が多数傍聴に駆けつけました。判決後は、弁護士会館の会議室で報告集会と記者会見を行い不当判決への怒りの声を上げました。

判決の悔しさと上告の意欲を語る原告の高橋良樹会長

説明する宮塚久弁護士
東京高裁(永野厚郎裁判長)は9月2日、新潟の運賃カルテル訴訟の判決を言い渡し「原告らの請求をいずれも棄却する」と主文のみを読み上げ終了しました。
法廷は事業者と労組関係者、マスコミ・業界紙等が多数駆けつけ、入りきれない状況にありました。微かな期待を持って判決に注目した傍聴席は判決言い渡しの瞬間、落胆とともに、憤りの表情に変わりました。
2011年1月26・27日の両日に公正取引委員会が、新潟のタクシー会社に立ち入り調査に入ってから、実に5年7カ月を経ての不当判決であり、この間、2011年12月21日に26社の事業者に対し排除措置命令と総額2億3千万円もの課徴金を課せられ、数社が倒産や廃業に追い込まれる事態となったことを思えば、長期の闘いを粘り強く闘ってきただけに腹の底から怒りがこみ上げてくる判決となりました。
判決後、弁護士会館において報告集会が開かれ、原告団、関係労組等、50人を超える人が参加し、全自交からは15人が参加しました。宮塚久弁護士は、裁判の争点を説明し、①運賃の合意は成立したか、また、相互に事業活動を拘束するものだったか、②合意があったとしても強い行政指導によって、意思決定の自由が失われた状態でなされたものとして正当化できるか、③合意は行政指導に従ったものとして正当化できるか、の3点にあることを述べた上で、「そもそも合意と呼べるものはなかったし、あったとしても国交省の強い指導で意思決定の自由は奪われていたと主張したが認められず残念だ」と報告しました。
原告で新潟県ハイヤー協会の高橋良樹会長は支援者に深く感謝を述べるとともに「今日の判決にはがっかりするどころか怒りがこみ上げた。今後も頑張っていかなければならない。上告する方向で検討したい」と思いを述べました。全タク連の武井利春労務委員長は「今後とも原告の闘いを全力で支援する」と激励しました。地元新潟の労働団体とハイタクフォーラムが挨拶し、新潟地連の宮沢勝正委員長は「公正取引委員会前の抗議行動を何度も闘ってきた。
今回の不当判決は絶対に許せない。今後とも規制緩和の見直しまで闘い続けよう」と訴えました。また、ハイタクフォーラムを代表してあいさつした伊藤実代表(全自交労連中央執行委員長)は「安倍政権の下で三権分立も形骸化してきた感じを受けている。何かしら良い判断が出るのではないかと期待していたが全面的にこちらの請求が棄却されたのは残念。全国的な闘いとして最後までともに闘っていこう」と訴えました。報告集会に続いて記者会見が行われ、数のマスコミ・業界紙に裁判報告と原告団の思いを伝え、質問に答えました。最高裁への上告期限は9月16日。


全国初の特定地域計画を承認

長野交通圏のタクシー特定地域協議会(柳沢吉保会長)は9月6日、長野県タクシー会館で第2回協議会を開き、712台(昨年8月1日時点)の法人タクシー台数を来年4月から122台(17・1%)削減し、590台に営業制限することで合意し全国で初めてとなる特定地域計画を承認しました。
削減する122両の内、減車による削減は23両、休車による削減は24両にとどまり、営業制限による削減が75両となっています。また、長野交通圏の法人タクシー19社の内、20両以下の事業者(4社)は営業制限対象から除外するとともに、20両を超える事業者も20両を下回らない営業制限となっています。
590台には稼働認定車証を配布し、原則としてこれを車体貼付した車両のみ営業することとなります(大規模イベント時は除く)。また、認定車証の管理規程で協議会構成員の事業者同士で認定車証を貸渡すことも可能としています。個人タクシーも55台に制限(昨年8月1日時点は67台)し、月2回の定休日の他、年間65日を休車させるとしています。北信越運輸局は事業計画申請から3カ月以内に認可し、その後各社が計画書を運輸局に提出することとなります。
長野駅東口のりば


裁判大詰め、支援を集中しよう

青森地連の8名の仲間が原告となり、特定地域指定基準の違法性を訴えた青森市のタクシー裁判の第5回弁論は9月7日、午前11時30より青森地方裁判所で開かれました。
原告側は、現場で働くタクシー労働者の厳しい労働実態や生活実態を明らかにし、改正特措法の趣旨・目的に沿った対策の必要性と特定地域の指定基準に「人口30万人基準」を設けた事が国の裁量権の逸脱であることをさらに論証するために、原告で青森タクシー労組書記長の田中真仁書記長の陳述と証人尋問を行うよう求めましたが、被告側は「事実関係に争いはなく、法律の解釈の問題と考える」「反対尋問も行わない」との意志を伝え、裁判長はこれを受けて証人尋問の申請を却下しました。
次回弁論では、原告側は「主張の取りまとめ」を提出する事としましたが、被告側は取りまとめの提出については「検討する」にとどめました。これにより次回第6回弁論が最終弁論となり、裁判闘争も大詰めを迎えることとなります。
最後まで闘う決意を固めてこぶしを上げる参加者


決意を語る工藤靖原告団長
運賃下げるなら特定地域指定し減車しろ

弁論終了後、青森県労働会館で報告集会を開きました。
青森地連は全県から加盟組合の仲間が参加するとともに、全自交労連の伊藤実中央執行委員長、服部達彦副委員長、高橋学書記次長が出席した他、東北地連からは鈴木和彦委員長、林幹雄書記長をはじめ、秋田地連、岩手地本、宮城地本、福島地本の仲間が参加し、北海道地連からも函館タクシー労組の佐々木勝弘委員長が参加しました。また、この裁判の開始時に尽力した全国ユニオン秋田の谷地田恒夫委員長や地元の青森県交運労協とその加盟産別や青森県平和労組会議の仲間も多数、駆けつけました。司会の江良實青森地連書記長は「青森では下限割れ事業者が裁判で国に勝ったため、9月23日から公定幅運賃の見直しが始まる。下限運賃が引き下げられ、運賃競争が懸念される」「なんとしてもこの裁判に勝って、特定地域の指定を受けて台数・運賃を適正化しよう」と訴えました。
横山慶一弁護士の裁判報告で「裁判長は下限割れ事業者を勝たせる判決を出した人。
運賃が下がるなら台数を減らすべきだ。11月に最終弁論となる。傍聴席を埋めて盛り上げて欲しい」と述べました。
全自交労連の伊藤実委員長と服部達彦副委員長は「裁判所が改正法を理解しているか疑問だ。全国が注目しており全力で最後まで闘っていこう」「全国を代表して労働者の思いを訴える裁判だ。大詰めを迎えたが支援を集中していきたい」と激励しました。
その後、全国ユニオン秋田の谷地田恒夫委員長と青森県交運労協の木下議長が連帯の挨拶を行いました。
原告団長の工藤靖さんは「公定幅見直しで運賃競争が心配だ。特定地域に指定し減車させるために頑張る」と決意表明しました。
最後に青森地連の後藤勝委員長の音頭でガンバロウを三唱して報告集会を終えました。


運動をしっかり伝える職場新聞に




熱心に新聞作りを学ぶ参加者

講義する自治労大阪の大賀さん
全自交関西地連は8月20日午後1時から、大阪市北区PLP会館を会場に全自交関西地連2016教宣実務者学習会を開きました。関西地連と大阪ハイタク労協から34名の仲間が積極的に参加し、労働組合の重要な課題である組合員への教宣活動について実践的な学習を深めました。

昨年までパソコンソフトを使用した教宣学習会を開催し、写真活用やインパクトのある見出しなどを学習してきましたが、今回は基本に戻り、自治労大阪府本部の大賀康祐氏を講師に招いて、記事の基本的な書き方や見出しの付け方に重点を置いた講義・実践を行いました。
冒頭、主催者を代表して挨拶に立った関西地連の北坂隆生委員長は「改正タクシー特措法に基づく特定地域協議会の進捗状況や、白タク・ライドシェア問題などハイタクをめぐる状況は厳しいが、現場の組合員にはこうした状況がなかなか伝わっていない。本日の学習会で機関紙作りの基本を学び、ハイタク産業全体の問題や職場の問題をしっかり伝え得る職場新聞作りを目指して欲しい」と学習会の意義を述べました。
参加者は興味を持ちながら熱心に講義を聴き、用意された課題に取り組みました。


加入呼びかけ能登地区で宣伝活動

全自交石川ハイタク連合会は8月25日、役員7名で、能登地区を重点的に約300キロを走破する組織拡大行動を実施しました。
輪島ふらっと訪夢(旧輪島駅)や能登空港など主要駅と空港をまわり、構内に待機しているタクシー乗務員に対しチラシを配布しながら全自交の活動を宣伝し、加入を呼びかけました。
能登地区における乗務員の一月あたりの平均運収は、30万円に満たないところもあり、最低賃金がしっかり支給されているのか尋ねてみると「1時間当たりの営業収入が低く、最低賃金までは貰えていない。しかし、この地域では他に働くところがない」という切実な声が聞かれました。また、こうした低賃金が要因で乗務員の高齢化も進んでおり「自分は年金を貰いながらなんとか生活している。年金を貰っていない若者は、タクシー産業ではやっていけない」との声もありました。「全自交としてこのような状況を打開していくため頑張っています」と理解を求めながら精一杯行動しました。
タクシーの将来像を語る古曵郁美課長補佐

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