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参議院に質問趣意書を提出
規制改革会議が影響力持つのは問題、政府が立法府を無視
適正車両数設定には現地調査が必要(櫻井充参議院議員)

2015年3月3日 民主タク議連の櫻井参議院議員が参議院に質問趣意書を提出。


櫻井充参議院議員
櫻井充参議院議員(民主党タクシー政策議員連盟)は3月3日、山崎正昭参議院議長に対し「タクシー政策と規制改革会議に関する質問趣意書」を提出し、改正タクシー特措法の特定地域指定基準等について政府の見解を質しました。

質問趣意書では、特措法は国会で全会一致、改正法は圧倒的多数で可決・成立した事実を強調。「タクシーは公共交通の役割を担っており、過度な規制緩和は国民の生活を危険にさらす」とした上で「現場の状況を理解していない規制改革会議が大きな影響力を持っている現状には大きな問題がある」と鋭く指摘し、特定地域指定に関する規制改革会議の横ヤリを厳しく批判しました。

具体的質問事項とそれに対する政府見解の要旨は以下の通りです。
1.タクシー業界における新規参入や増車に関する規制緩和により、乗務員が過度な低賃金で勤務せざるを得ないような状況に追い込まれている現状は、当初の政府の想定通りであったかどうか「はい」又は「いいえ」で示されたい。

答弁:
政府としては道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律の施行によるタクシー事業への参入や車両数の増加に関する規制緩和により、タクシーサービスの多様化や旅客の待ち時間の短縮等の一定の効果が認められる一方、地域によっては、需要の低迷する中、車両が増加する等の影響もあり、運転者の労働条件の悪化等の問題が生じていると認識している。

櫻井充参議院議員:
2.規制改革会議は「国交省の指定基準案を適用した場合、日本中の約6割のタクシーに特定地域の規制が及ぶこととなり、裁量権の逸脱は明らかである」と述べている。裁量権の逸脱は明らかなのか、政府の見解を明らかにされたい。

答弁:
政府としては、規制改革会議が公表した意見は、特定地域の指定基準について、行政の裁量権の範囲の逸脱またはその濫用にならないよう慎重に設定すべきであるとの趣旨であると認識している。

櫻井充参議院議員:
3.規制改革会議は特定地域の指定基準について、憲法に規定する営業の自由を不当に制限することを危惧していると述べているが、これに対する政府の見解を明らかにされたい。

答弁:
意見は、特定地域の指定基準について、行政の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用によって、営業の自由を不当に制限することのないよう慎重に設定すべきであるとの趣旨であると認識している。

櫻井充参議院議員: 
4.国会で審議された結果圧倒的多数で可決・成立した法律に対して、規制改革会議が述べた意見に基づき行政が対応する場合には、その根拠を明らかにされたい。また、対応するとなると、政府が立法府を無視しているものと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

答弁:
国土交通大臣は、タクシー事業の適性化及び活性化を推進することが特に必要であると認めるときは、当該地域を、期間を定めて特定地域として指定する事ができるとされており、同大臣が特定地域として指定するか否かの判断を行う場合の基準を策定したところである。指定基準の策定に当たっては、タクシー事業が供給過剰である地域で、供給過剰を効果的に解消するとともに、運転者の労働条件の改善やタクシーのサービス水準の向上等を実現し、タクシー事業を利用者にとって更に安全で、安心して利用できる公共交通機関として進化させるという議員立法である特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適性化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律の趣旨を尊重するとともに、「特定地域の指定については、その法的効果に鑑み厳格に行うこと」とした附帯決議や内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議が公表した意見を勘案したところである。

櫻井充参議院議員:  
5.特定地域指定基準案によると、「30万人以上の人口」という要件がある。この要件により、本当に特定地域指定が必要な地域が指定を受けられない可能性があると考えているが、政府の見解を明らかにされたい。また、「30万人以上の数的根拠を明らかにされたい。

答弁:
人口30万人以上の都市を含む地域であることを要件にしているのは、このような地域で流し営業が多く行われており、タクシー事業の供給過剰による弊害が、そうした地域において顕在化しやすいことを踏まえたことによるものである。

櫻井充参議院議員:
6.本年1月、国土交通省が準特定地域における適正車両数の確定値を発表している。適正車両数の上限と下限の算定方法を明らかにされたい。

答弁:
適正車両数については、各地方運輸局等において算定しているものである。(中略)適正車両数は、その他の地方運輸局等においても東北運輸局と同様に、総実車キロにより示された直近の需要量及び総走行キロ、実働率等により算出された1日1台当たりの直近の供給量に基づき、直近の需要量に対応した車両の数を算定しているものであり、直近の需要と供給の動向を踏まえた適正なものと認識している。

櫻井充参議院議員:
7.東北地方であれば震災復興のための特需があったように、平成25年度末の車両数や総実車キロ、直近5年間平均の実車率等は現在の市場環境を反映しているとはいえず、実態と大きな乖離が生じていると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

答弁:
適正車両数の算定に当たっては、直近の需要と供給の動向を踏まえており、「現在の市場環境を反映しているとはいえず」との指摘は当たらない。

櫻井充参議院議員:
8.適正車両数を設定する上で、地域の実態についてヒヤリングや現地調査等を行ったのか明らかにされたい。また、ヒヤリングや現地調査等を行ったのであれば具体的にどのように数字に盛り込んだのか明らかにされたい。もし、ヒヤリングや現地調査等を行っていないのであれば、「適正」であるかどうか判断できないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

答弁:
適正車両数は、道路運送法に基づく営業区域ごとに、当該営業区域に事業所を置く事業者の輸送実績報告に基づき算定しており、地域の需要と供給の動向を踏まえたものと認識している。



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